「元気が1番」「健康第1」
健全な心と身体は子どもが育つための宝ですね。そして心身の健康にプラスし、さらに「賢さ」を伸ばしていくことは子どもの人生の財産と言えるのではないでしょうか。
ここでぜひ、子どもが賢く育つためのヒントを皆さんにお伝えしたいと思います。
子どもの能力が引き出される瞬間とは
では、一体どんな時に子どもの賢さが伸びるのでしょうか。気になるところですね。子どもの育ちを考える時のヒントの1つに、幼児教育の考え方があります。幼児教育の立場からは子どもの教育は「環境」を通して行われるものであり、
『「幼稚園教育要領」では「幼児の自発的な活動としての遊び」を生み出すために必要な環境を整え一人一人の能力を育むことが全ての大人に期待されることである』とされています。
「好奇心」「意欲」「集中力」「物事の原因と結果」「作用反作用」等々・・・。遊ぶことで子どもが成長し発達する力は挙げればきりがありません。特に、自然環境の中で自由に伸び伸びと過ごす時間は、「五感」を様々に刺激して発達を促し、子ども自らが発見していく喜びや満足感、充実感を味わうことで、さらに賢さが育つ原動力となります。
想像してくださいね。子どもが大喜びで芝生の上をゴロゴロと転がる姿、カメムシの臭いに「くさ~~い」と驚く姿、様々な色の花びらを集めて石ですりつぶし指に付けたり色水作りに興じる姿、絶えず寄せては返す波のリズムを感じながらじっと見つめている姿・・・。それらは、自然環境の恵みから与えられる本物の手ごたえを「五感」を通して十分に味わい、子どもの感覚が研ぎ澄まされていくまさにその瞬間です。
「五感」の発達について
「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」
これらの感覚機能は刺激を受けて徐々に発達していくもので、感覚が繋がり合うことが脳の発達にも影響を与えます。「五感」からの刺激が脳に送られて脳を発達させ、言葉や運動など様々な能力の発達が促されるということです。
「五感」はどんな時に発達するのでしょうか
ひと言に「聞く(聴く)」という経験もスピーカーから流れる音を聴くのと、自然を体感しながら自然界の様々な音を聞くのとでは違います。雄大な自然の中にいると「川のせせらぎ」「鳥のさえずり」「風の音」「雨だれ」「焚火が燃えるパチパチという音」「落ち葉を踏む自分の足音」など、様々な音がどこからともなく聞こえてきます。
12色のクレヨンでは見ることができない「中間色」「配色」「混色」「濃淡」「光と影」「輝き」がそこにはあります。
「サラサラ」「ザラザラ」「ごつごつ」「ポロポロ」「べたべた」「ドロドロ」「カサカサ」「パラパラ」「つるつる」「もちもち」・・・色々な手触りがあります。
「甘い花の香り」「乾いた草のお日様の匂い」「雨の日の匂い」「田んぼの土の匂い」「潮風の香り」これらを感じたことありますか?
海辺にいると口の中が塩辛くなります。「木苺」「きのこ」「栗」「お芋」「ふきのとう」。これらには「苦味」「甘未」「酸味」「塩味」「旨味」という様々な味わいがあります。自然の恵みはお菓子の味よりも素朴で味わい深くやさしく口の中に広がります。
自然界から得られる「五感」への刺激のスケールと、日常生活の中で感じることの違いは伝わりましたか?
自然環境はある意味教育の原点と言えるのではないでしょうか。まさに「五感」への刺激の宝庫です。
子どもがさらに力を伸ばすためのとっておきの方法
これまで「五感」に刺激を受けることの大切さをお伝えしましたが、実はさらに重要なことがあります。
それは・・・子どもが何かを発見したり楽しさを味わったときの驚きや興奮を身近な大人が共感し一緒に喜び合うことです。
子どもが、広い世界を少しずつ知っていく嬉しい気持ちを誰かと一緒に味わうことで、経験したことが心に色濃く残りさらにもっと知りたい気持ち<情熱>が湧き起こります。情熱は知的好奇心の原動力となります。
「すごいね」「楽しいね」と共感してくれる温かな眼差しに後押しされて、自発的・主体的に物事に関わり自分で自分を伸ばすためのエネルギーが心に芽生えるのです。
子どもの気持ちに受容的に共感し、一緒に会話(言語化)して喜びを分かち合うことは、子どもにとってこの上なく嬉しいことですよ。子どもは、楽しかったことを話し始めるといつまでも止まらないほど一生懸命伝えようとしますね。聞いてくれる相手がいるからお話ししてくれます。言語化能力を引き出すことにもなりますので、会話はまさに素晴らしい「知育」となります。
これらを意識すると子どもの「人格形成の基礎」までも影響を与え、主体性をもち生き生きと力を伸ばす子に育っていくことでしょう。
子どもの頃を思い出してみてくださいね。誰にとっても自然の中で過ごす時間は驚きと発見に満ち溢れ楽しくて仕方なかったのではないでしょうか。私は、葉っぱの色や形を比べたり川で色々な小石を集めたり、時間を忘れて日暮れまで外で遊んでいました。その時は考えもしませんでしたが、遊びの時間が私を育ててくれたのだと思います。
まとめ
子どもを賢く育てるには、賢く育つための基礎力が育っていくことが何よりも重要です。「五感」を伸ばすことですね。そして身近な大人が子どもの気持ちに共感して会話を交わし、一緒に遊びの楽しさを味わうことにより子ども自ら育っていく力、自発性や主体性が養われます。
豊かな感性と柔軟な発想で、自然環境の中で伸び伸びと遊び、子どもが実際に「見て」「触って」本物を確かめて、「香って」「聴いて」「味わって」実感していくことが成長の支えです。
幼児期に自然の中で大いに遊ぶ経験ができるといいですね。